発表から4年を経て10月4日リリースとなったRAGEの感想。
■メタスコア80点、理由は?
本作は10月16日現在メタスコア80点となっている。
DOOM,QuakeなどFPSプレイヤーならば知らない人は居ない名作を数多く世に出してきたidの新作にしては低い点数だ。
理由は比較的簡単で、事前に公開されていた情報ほど出来ることが多くは無かったと言う点が挙げられる。
事前情報ではBorderlandsのようなFPSとRPGの融合を目指した作品で、オープンワールド気味で、街で様々なクエストを請け負い、車を乗り回して何処にでも行ける。
なんて事が書かれていた訳である。当然噂の域を出ない物もあったが、全体的にスケールの大きい事が示唆されていた。
しかし蓋を開けてみればどうだろう?事前情報は大きく外れてはいなかったが、期待されていたほどスケールの大きい物では無かった。
もう一つ。
大手海外レビュアーが口を揃えて書いていたストーリーに関してだ。
これは個人的なFPS観だが、私はFPSにそもそもストーリーなんて要らないと思っている。
重厚なストーリーのゲームが遊びたければAVGなりRPGなりを遊ぶべきだ。
FPSはシューティングであり、アクションだ。優れたアクションに優れたストーリーが必ずしも必要だと思わない。シューティングも同様だ。
その前提で話をすれば、海外レビュアーの意見はただ重箱の隅をつつくような物だと言って良い。
■肝心のシューティング、アクションは?
これは比較的良く出来ていると言って良い。流石idだ。
カヴァーを利用し、こちらがカヴァーに隠れればHEを投げ、劣勢になれば一度引いて体制を立て直すAI。
被弾した部位を中心に仰け反り、軽めながらしっかりとした反動があり、手応えのある射撃感。
近接攻撃を仕掛けてくる敵と、射撃攻撃の敵のバランス。
昔ながらのスポーツ系FPSのsingleらしく、多種多様な武器を同時に持って移動でき、それらを使いこなす面白さは相変わらずだ。
ガジェットも様々ある。CoD:BOをリスペクトしたかのようなRCカーボム、DOOM3に出てきた蜘蛛型タレットにそっくりなロボット、首チョンパのウィングスティック。
しかし、こういったガジェット類もマルチプラットフォームの弊害で、4つまでしかクイックスロットに入れられない。
更に万が一、敵にやられても電気ショックで復活でき、そうそうゲームオーバーにはならない難易度。
肝心のFPS部分は非常によく出来ている。
しかし、どう考えてもマルチプラットフォームのせい、としか思えない部分が足を引っ張っている。
一度に出てくる敵の数が少なく、折角様々なガジェットがあるのに使いこなせないUI、全体的な難易度の低さ。Nighjtmareでヌルゲーってどういう事よ。
■ストーリー
一応ストーリーにも触れておく。
基本はお使いばかりである。クライアントに話かけ、新しい依頼を受け、それをクリアしたらまた新しいクライアントの元へ。
サブクエストやミニゲームなど、寄り道の要素もあるにはあるが、いずれも底が浅い。
コールドスリープから目覚めた主人公が降り立ったのは、遙か未来の地球。
探索開始早々ミュータントに襲われた所を通りがかりのおっさんに助けられる。
それが縁となり彼の依頼を引き受ける事になるが……。
というのが冒頭。あまりにも引きが弱い上、説明不足極まりないが、思い返してみれば昔のFPSはみんなそうだった。
■レースと車
RAGEのもう一つの売りとして車の登場とそれを利用したレースが取り上げられている。
初めに断っておこう。RAGEはFPSだ。
その上で評価するのであれば息抜きとしてはよく出来ている。
そして車はあくまでも移動手段。途中出てくる邪魔な敵は障害物だ。
それだけだ。それだけ。
■総評
要所要所を見ていけば、十分な見所があるものの、全体像として見ると劣化Borderlandsな印象となる。
RPG+FPS、オープンワールドなゲーミング等、目指した所が近いうえ世界観が似ている為だろう。
だが、実際遊んでみればRAGEの方がより純粋にFPSをしている事は明白だ。そしてそれ故にオープンワールドな部分やRPGの部分が弱くなってしまった物と思われる。
このゲームの残念な点は昔ながらのidらしいゲーム作りを根幹でしながら、上っ面だけを昨今の軽い作品にしてしまった点にある。
最近のFPSに比べればFPSとしてはよく出来ているが、最近のFPSが力を入れている+αの部分があまりにもおざなりになっている。
結果的に世界観が希薄で薄っぺらになり、ストーリーが弱いと批判される。
根本のシューティング、アクションの面白さはRAGEの方が優れているのに、である。
確かに上記したようにマルチプラットフォームにより、幾分FPSとしての面白さが阻害されている部分はあるが、それでもだ。
それでも例えば最近の作品、RAGEよりもメタスコアの優れているCrysis2やCoDシリーズよりも遙かにFPSとして、シューターとして、アクションとして面白い。
昔ながらの本当にFPSとして面白い、FPSだけが面白い作品でいいのであれば買いだろう。
ただ、日本価格$80はボッタクリすぎだと思うけどね。
現在ハマっているゲーム、FrozenSynapseを紹介する。
FrozenSynapseは一分隊を率いて相手プレイヤーと対戦するターンベースの同時進行型ストラテジーゲームである。
CampaignやSkirmishと言ったSinglePlayのサポートは勿論、PvPのMultiPlayもサポートしているのが特徴でランキングシステムなども存在する。
プレイヤーは予め与えられた駒を駆使し、目的を達成するか、或いは規定ターン終了時に数的有意を得ていれば勝ちとなる。(ゲームモードによって詳細は異なる)
プレイヤーに与えられる駒は全部で五種。
1,machinegun――オールレンジで戦える基本Class。マシンガンのクラス名だが、装備はアサルトライフルらしい。やや遠距離は苦手。
2,Shotgun――ショットガンを装備したもう一つの基本Class。machinegunよりも移動速度が早く、近距離での接近遭遇戦ではかなり強い。中距離以遠はお察し。
3,Sniper――言わずと知れたスナイパー。遠距離から一撃で敵を撃ちぬく。が、狙いを定めるのに時間がかかるらしく、暫く敵を視界に納め続けなければならない。
4,RocketLauncher――RPG7っぽい物を持った兵士。放ったロケット弾が壁に当たると周囲を巻き込む爆発を起こし、壁もろとも破壊する。壁の裏などに隠れている敵も倒せるが、爆発に巻き込まれた味方をTKする事もあるので注意。
5,Grenade――グレネードランチャーを持った兵士。一定距離までグレネード弾を打ち出せるが、やや射程は短め。撃ち出されたグレネード弾は壁に当たると跳ね返るので、それを利用し死角に撃ちこむ事も出来る。
プレイヤーはこれらの兵士を使い敵チームと戦う事になる。
まずPlanningTurnと呼ばれる指示出しのターン。
ここで、このあとの5秒間の展開を予想しながら各キャラに移動ルートの指示や、
その移動の際にどの方向をクリアリングさせるか、
移動中に敵を発見したら即座に交戦状態に入るか否か、
などの指示を出しておくことになる。
このPlanningTurnが終わると、その指示に基づき結果が反映される事となる。
当然この時にはプレイヤーが介入する事は出来ず、ただ見守るだけとなるため、PlanningTurnで如何に穴のない指示を出せるかが重要なポイントとなる。
これを規定ターンが終了するか、どちらかのチームが目的を達成するまで繰り返す事となる。
基本的にMAPは自動生成となっており、青を基調としたCoolなデザインで統一されている。
幾つかの棒が組み合わさったようになっている物が壁、ハイライトされた薄い青の部分は低い障害物を表す。
この低い障害物はDuck状態であれば壁同様、敵からの視線や弾除けになる他、グレネード弾などを当てて跳ね返す事も出来るが、ロケット弾は透過してしまう。
Duckで近づいて、一瞬だけStandさせ周囲の確認、その後再びDuckさせ、その場から移動させる……などのFPSさながらの動きもさせられる。
PCゲーマーにとって、このゲームが取っ付き易い最大の理由はFPSを俯瞰視点で見れば、こう見えるのかな?と言う部分がある事に起因する。
若干操作に難があるのはマイナスだが、それは裏をかえせばそれだけ様々な事が出来る事にも繋がり、戦略性の面でとても面白い物になっている。
tutorialが親切なので、しっかりとtutorialを見た後でプレイを開始すれば問題は無いハズである。
最後にマルチプレイにおける問題点を幾つか挙げておく。
まず、PlanningTurnに時間制限が無い点。
それだけ戦略を練るのに時間を自由に割ける事を意味するが、相手プレイヤーも同様に自由に時間を割ける為長考する相手だと1プレイを終えるのに一日がかりと言うのは日常茶飯事、2,3日かかる事も少なくない。
もっとも相手が入力し終えると、最初にアカウントを作るのに登録したメールアドレスにその旨を伝えるメールが来るので、オフライン時でも安心である。
マルチプレイの途中経過の保存がサーバー毎である点。
現在FrozenSynapseにはTexas1~3鯖とUK1~3鯖の計6鯖が存在しているが、自分のプレイ時間帯にたまたまプレイヤーの多いTaxas1でマルチプレイを始めたとすると、以降その鯖で無いとその試合の続きをプレイ出来ない。
まぁ、当然と言えば当然の話なのだが、やや不便ではある。(当たり前だが、新規の試合を他の鯖で開始する事は可能)
・問題点を二つ挙げたが利点も挙げておく。
ターンベースであるためPingの影響を受けない。
これは地味に大きい。ラグを気にせず海外のプレイヤーとのんびりチャットを交わしながら遊べるのは非常に魅力的だろう。
長考しない人の場合、さくっと試合が進行する点。
一試合5分程度もたまにある。(自分自身も長考しないのが前提だが)
相手がオフラインでもそのターンの入力は出来る点。
両者が入力を終え、次に進むことを了承して、初めて次のターンに進む。また長考するプレイヤーに当たると一日がかりなため、ゲームを落としておいたり、AFKしてたり、入力を終えたら裏で別のタスクをしたり、と様々なプレイスタイルの人がいる事もあり、「ながら」でチマチマ遊べる。
これらが挙げられるだろう。
独特の雰囲気があり、非常に面白いゲームである。
初代Deus Ex(以下初代)から11年。続編Deus Ex Invisible War(以下IW)から8年。
多くの人が待ち望んでいたDeus Exシリーズの続編が先月発売された。
RPGとFPSの融合、サイバーパンクを基調とした秀逸な世界観、自由度の高いゲーム性、重厚なストーリーなどが高く評価され
初代の発売当時40以上のメディアからGotYを受賞、メタスコア90点を獲得し、今なお歴史に残る傑作として語り継がれている。
その続編として、当然のように発売前から期待されていた本作は2011年9月18日現在メタスコア89点を獲得している。
舞台――
Deus Ex:Human Revolution(以下HR)は初代の舞台である西暦2052年から遡ること25年。
西暦2027年が舞台となっている。(ちなみにIWの舞台は初代の20年後、西暦2072年)
初代の25年前と言う事で直接的に初代に関わる、と言うよりも間接的に前日譚を語る様にして物語は展開していく。
また、初代では登場人物の多くがサイボーグ化(義体化)済みであったが、本作はサイボーグ化の黎明期として描かれており
貧民層を中心とした多くの人が未だ生身である。
初代からの特徴として、マトリックスや攻殻機動隊と言ったサイバーパンク物へのオマージュも多く見られ
本作中においても頭部からPC端末に直接有線で接続している描写などが見受けられる他、光学迷彩等も登場する。
更にプラズマライフルやレーザーライフルと言った近未来的な火器が登場するのも特徴である。
特徴――
本シリーズのゲーム性における特徴として自由度の高さと、それに伴い特定の問題解決への手段が複数用意されている点が挙げられる。
主人公Adam Jensenは全身サイボーグであり、『頭部』『視覚』『腕部』『胴部』『背部』『皮膚』『脚部』などの細分化された項目の中から
Aungmentationと呼ばれる、サイボーグ強化の技術を用い好みの能力を強化しつつ物語を進めていく事になる。
例えば『頭部』のHacking能力を上げていけば、PC端末や電子ロックの扉や金庫を解錠することが可能になる。
例えば『腕部』のPower能力を上げていけば、冷蔵庫等の重い障害物を持ち上げて動かす事が出来る様になったり、脆い壁を壊すことが出来る様になる。
・これにより、「奥の部屋に侵入する」と言う目的に対し
1,正面から堂々と電子ロックを破り侵入する
2,脆くなっている壁を破壊し侵入する
3,遠回りになるが、通気ダクトを探し出し侵入する
4,電子ロックのパスワードを持っている敵を探し出し、それを奪い侵入する
等の解法が用意、実行できたりするわけである。これは初代とほぼ同じである。
初代との相違点――
まず何と言ってもグラフィックの進化を挙げなくてはならないだろう。11年の歳月は偉大である。
当時Unreal Engine1.5で表現されていたサイバーパンク世界はCrystal engineと呼ばれる独自Engineにより美麗に再現されている。
Crysis2などと比較すると若干劣っている感はあるが、流石Eidosである。PCへの最適化もしっかりされておりグラフィックの割に軽いのは評価出来る。
ゲーム性の変化は時代の流れか様々な所に現れているが、端的に言えば色々な要素が端折られ簡略化されている。
各武器の熟練度等に該当したSkillと言う項目は丸々削除されているし、電子ロック以外の物理的な鍵のかかった扉等に対するピッキングも丸々削除されている。
特に後者の影響は大きく、HRでは作中に登場する扉の全てが電子ロックになっており、Hackingの割合が初代に比べ圧倒的に増えている。
前者に関してはアクションの要素がより強化される形になり、プレイヤーのFPSの腕が如実に結果に現れる様になり、個人的には歓迎出来る変更点であった。
また武器に関しても変更が入っており、ナイフやバール状の何か、剣と言った近接武器が全て削除されている。
但しコレに関してはTake Downの導入やStun Gunなどの導入によりバランスが取られている。
Take DownはEnergyCellを一つ消費し、近距離の敵を気絶若しくは暗殺する物で初期から使用可能になっている。Stun Gunは近距離で敵を撃つ事で気絶させられる。
ストーリー――
ネタバレの可能性もあるので余り多くは語れないが粗筋を語ろう。
前述した通り、HRはサイボーグ化技術の黎明期の物語である。
それだけに主題として「人は技術の進化に伴い、自らもその技術によって進化し続けるべきか否か」と言う物がある。
物語はその手の技術を扱う大手企業Sarif Industriesが何者かに襲撃される所から始まる。
Sarif Industriesの警備主任であった主人公Adam Jensenはその襲撃の際に生命に関わる大怪我を負い、自らサイボーグ化される事となる。
サイボーグとして蘇ったAdam Jensenは襲撃の陰に潜む黒幕と陰謀を暴くべく行動を開始する……と言うのが冒頭である。
特筆すべきはその世界観、空気感の作り込みである。
多数のオブジェクト、雑多感、モブキャラの数。
街を歩けばネオン煌く看板が至るところに掲げられ、裏道に入ればチンピラ達がタムロしている。
サイバーパンクとは確あるべき、と言うその空気感を殆ど完璧に再現しているのだ。
プレイを始めれば、その手の作品が好きな人には堪らない世界がモニターの中に広がっている。その没入感たるや筆舌に尽くしがたい。
問題点――
XPシステム、これに尽きる。
HRはRPGの要素として、敵を倒す、Hackingを成功させる、隠し通路隠し部屋を発見する、ミッションを成功させると成果に応じてXP(経験値)が得られる。
そのXPが一定値に達すると、Augmentationを強化するためのポイントが貰えるシステムになっている。
このシステム最大の問題点はXPの偏りにある。
敵を倒す事によって貰えるXP。近距離に近づきTake Downで気絶させると50XPが貰えるのに対し、遠距離から銃火器で射殺すると10XP(但しヘッドショット時はボーナス10XPが貰え20XP)。
その差40XPである。序盤のミッションだと敵の数は20~30。後半になると50を超える物もある。
その全てをいずれかで処理すると敵の数が50の時2000XPの差が出る事になる。こうなると大抵の人は近距離まで近づきTake Downを狙うだろう。
またHackingも成功すると難易度により異なるが、20~75XP程度が得られる。これはパスワード入力した時には得られない。
よって本編とは全く関係の無い扉や端末を片っ端からHackingし、且つパスワードが分かっていても、それを無視しHackingした方がXPが得られるため得、という事になる。
更にミッションクリア時にステルスで、敵に発見されず、またアラーム等を鳴らされずにクリアするとボーナスで最大3000XP程度が得られる。
結果として、ステルスで侵入しTake Downで敵を無力化しつつ、片っ端から端末や扉をHackingして、MAPを隈なく歩きまわり隠し通路や隠し部屋を探すと言うのが一連の流れになり
折角自由度が高いゲームなのに、特定のプレイスタイルのみで進行する事が多くなってしまい自由度を阻害している。
勿論、こういったプレイスタイルをせずにアサルトで突っ込んでいきランボーよろしく銃撃戦を楽しむ事も出来るが、そもそも弾薬の入手数が少ない上、結果としてAugmentationのアンロックが遅れるため
今度は取れる選択肢が少なくなる、と言う観点から自由度が阻害される形になる。
初代ではMAP上に落ちていたり、NPCから貰えるUpgrade Canisterと呼ばれるアイテムによりAugmentationをアンロックさせる事が出来たが
今作でもそちらのスタイルを維持した方が良かった様に思える。
総評――
最後にXPシステムの問題点について言及したが、それ以外に関しては大きな問題点は見当たらないと言っても構わないだろう。
細かく見ていけば当然問題点は存在しているが、それはありとあらゆるゲームにおいて存在し得る物である。
欠点のない完璧なゲーム等無い以上それらの細かい問題点は瑣末事でしか無い。
それこそ昨今のゲームはこのXPシステム並の問題点が山積みのゲームが散乱している。その中で、この一点のみの問題点で済むと言うのは破格であるとも言える。
総じて完成度も高く、前述したように世界観、空気感の作り込みはトップクラスだと言える。
何よりサイバーパンクという多くのファンを抱えるジャンルにおいてこれほど優れたゲームは中々見つけ難い。
シリーズファンが遊んでも、「時代の流れ」と言われれば納得できる作りとなっており、現代版Deus Exとしてそれなりに楽しめる物になっている。
初代を遊んでいない人がいきなり遊べば、メタスコア89点の実力を体感出来ることは間違い無く、ここに書いた以上の評価を与えてもおかしくは無い。
ライトゲーマー志向のゲームが多いこの時代において、ライトゲーマーもヘビーゲーマーも楽しめる作品としてよく出来ているのも見逃せない。
個人的には発売前はあまり期待していなかったのだが、良い方向に裏切られ嬉しい限りである。
これならば「Thief4」にも期待が持てそうだ。
CoD XPでMW3の新情報がいくつもリリースされており、ファンの方々は色々賛否あるようである。
幾つかの情報を統合するにBOよりもMW或いはMW2に近い、Modern Warfareシリーズの続編らしい作風を目指す様である。
BOを一時期真面目にプレイしていた人間としては、「それは正しい」と言わざるを得ない。
そもそも続編を作ると言うのは、それなりに続編を望む声が多かったり、或いは売上的に続編を作るべきだと考えたからであろう。
そして、そういった理由で続編を作る以上前作を踏襲する事は前提だとすら言える。
ユーザーが望んでいるのは夢の続きなのだ。別の夢を望んでいる訳では無い。
前作の続きから始まるストーリー、システム面や演出面での強化、当然ゲームとして面白い事。
それらが求められる。もっとも、やり過ぎれば批判の対象になるわけだが……。(全然変化が無いのも考え物だが)
だが必然的に続編は、ユーザーの期待のハードルも高くなる。
結果、冷静に一作一作見ていけば決して悪くない作品も「続編を出す度に劣化していったあのシリーズ」となる訳である。
さて、Modern Warfareシリーズの3作品目はどうなるのであろうか?
BOを掴まされた私としては、今回は傍観者に徹しその様子を観察しようと思う。
ここ数日で買ったもの
RO2:HoS,Deus EX:HR,Complete Shooter Pack.
と言う訳で久しぶりにレビューを書いてみたいと思う。
Deus EX:HRに関しては二番煎じどころでは無いので、まずはRO2:HoS。
Digital Deluxe Edition購入により、参加できるBetaをプレイして感じた事を書いてみる。
まずはバグに関して
Betaであるため、ある程度のバグは致し方ないのだが、それでもちょっと……と思ってしまう程度にはバグが多い。
ただ不幸中の幸いとでも言おうか、そのバグがいずれも致命的では無いのが救いだ。
また初日こそ、サーバーブラウザでCtD頻発、プレイ中もCtD頻発でお話にならなかったが先日のパッチにより大分改善されている。
肝心のゲーム内容
ゲームモードは3つ
Territory(TE):各陣営が攻守に別れ、拠点を防衛或いは攻め落とすのが目的。攻撃側が最終拠点を制圧するか、制限時間まで防衛側が守り切る事で決着。
Countdown(CD):上記モードに似ているが、各プレイヤーは基本的に一度死ぬと次ラウンドまでRespawn出来ない。
Firefight(FF) :いわゆるTeam DeathMatch
前作RO:OではTEモードが基本だったため、CD,FFには若干違和感がある物の悪くはない。
ただ、CDに関しては賛否あるかと思われる。
そもそもRO:OはBFシリーズ等と同様に、前線の押し合い、或いは拠点制圧などのゲームであったため
「結果的に1killも出来ずに死んでも、前に出て拠点制圧に貢献出来れば名誉の戦死」だったのである。
が、CDルールはそれを真っ向から否定している。
取り敢えず何度死のうとも特攻だ、ウラー!!みたいな共産主義の犬ども(褒め言葉)が多いこの手のゲームにおいては
ちょっと合わない感じがする。
また、そういった前作までのプレイスタイルを全面的に否定する様なシステムをディベロッパ側が組み込んできているのも気にかかる。
アイアンサイトでのズームだ。
RO:Oではこのアイアンサイトズームは存在していなかった、それは攻撃側も守備側も有視界距離を同じにすることにより遭遇戦を平等にする物だった。
それが今作では崩れ去り、完全に守備側(と言うよりCamper)が有利なゲーミングになってしまった。
RO:OはBFシリーズではお馴染みの所謂"芋虫"が少ない事が利点の一つだと思っていたのだが、この変更はこういった連中を助長しかねないだけに個人的には一番の改悪点だと考える。
またシステム面での改悪点としては、ミニマップの登場があげられる。
これによりプレイヤーが得られる情報量が大幅に増えてしまった。
RO:Oを未プレイの方にはコレの何処が改悪点なのかイマイチ分かり難いと思うが、RO:Oの良さはアナクロなシステム周りとそれに伴う情報の制限であった。
もっと踏み込んで言うならば、プレイヤーはプレイヤーキャラクターと同程度の情報しか与えられていなかった。
これはとても重要なポイントで、このプレイヤーとキャラクターが同程度の情報しか得られない、と言う点はRO:Oのリアリティを根底から支えていた。
このリアリティにより、プレイヤーとキャラクターのズレが極端に少なく、結果的に没入感に繋がっていた。
確かにRO2はシステム面でも洗練され、プレイヤーはより多くの情報を得られる様になり、個人でも戦略的な行動が取りやすくなった。
しかしそれは同時にプレイヤーとキャラクターを切り離す事にも繋がっている。
結果として没入感は無くなり、ゲームへの熱中度も低下するし、何より一兵卒が個人で戦略的に動く事を要求されるのは非現実的だ。
そういうゲームがしたいのであればCS1.6を遊ぶべきだ。RedOrchestraと言うゲームでやるべきことでは無い。
総評
全体的にバグなどの荒削りな部分はある物の、イメージとしてはかなりスマートな感じになった。
前作に比べ洗練され、より上質な物になった部分もあるが、肝心な部分が幾つか抜けてしまっている様に思う。
前作は例えるならば原石であった。それを複数のMODやカスタムマップにより磨き上げ、一つの宝石としたのがRO:Oであった。
RO2:HoSは最初からある程度磨かれ、それなりの市場価値はある物の、変な磨き方をし、その石の本質を映し出すに至っていない、と言う所だろうか。
RO:Oをプレイした事が無い方からすれば、そこそこ面白いゲームだとは思うし、個人的にも決して悪いゲームだとは思わない。
問題なのは、コレをRO2としてしまった点だろう。RO:Oユーザーからはどうしても「これじゃない」感が付き纏う。
恐らく、今後はRO:OのMOD職人やMAP職人の中から移住してくる方も出てくるだろう。
そういう方々の手により、よりRO:OらしいRO2が出る事を個人的には期待したい所である。